心を高める、経営を伸ばす
困難に打ち勝つために : 希望を失わない
今でこそ私は、「心で思った通りに現象は現われる」と信じているのですが、社会人となった頃は、やることなすことうまくいかず、とてもそのように考えられませんでした。
しかし、そんな苦しい中でも私は明るさと希望だけは失いませんでした。そのころ私は、底が抜けそうなオンボロ寮の二階に住んでいたました。畳の表も裏もなく、わらがぼうぼうとむき出しの六畳間でした。そこに七輪を鍋を持って来て、毎日自分で炊事をしていました。会社での研究も人間関係もうまくいかず、日が暮れると寮の裏の桜並木が続く小川へ一人で出かけていきました。そして、小川のほとりに腰かけて、唱歌の「ふるさと」をよく歌ったものでした。心の痛みが積もり積もって、どうにもならなかったのです。私は思いきり歌うことで、自分を元気づけていたのです。そして気分を一新して、次の日にはまた会社へ出かけて懸命に働きました。悩みは、いつでも、誰にでも、どこにでもあります。しかし、そういう状況の中でも、気分転換を図り、明日への希望と明るさだけは失わないようにしなければなりません。
◆経営の原点
「稲盛経営 12カ条」
1.事業の目的、意義を明確にする
2.具体的な目標を立てる
3.強烈な願望を心に抱く
4.誰にも負けない努力をする
5.売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
6.値決めは経営
7.経営は強い意志で決まる
8.燃える闘魂
9.勇気をもって事に当たる
10.常に創造的な仕事をする
11.思いやりの心で誠実に
12.常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
(出展:稲盛和夫OFFICIAL SITE 京セラとKDDI、JALを経営する中で、会社経営を成功に導く実践項目を12カ条にまとめたものです。)